「誠実」ということ
(仮称)札幌市立大学の初代学長予定者に川崎和男氏が決まった。同大学は、平成18年春に開設予定の市立大学で、デザイン学部と看護学部の2学部の設置が予定されている。
川崎氏は、雑誌‘ Mac Power 8月号’のエッセイ[Design Gambit]で、この新設大学についての想いと、初代学長としての決意を表明している。
「・・・私は、いまこの国が喪失してしまっている最も大切なことを取り戻したいと思う。
それは『誠実』である。大学はあくまでも教育が主体であり、研究は2番目である。研究を即産業としていく、そんな法人化は、すぐに大学そのものを腐敗させると断言する。私は、あらためて『柏手』を打って、森の自然に潜んでいる精霊の力を借りたいと念じている。そして初代学長予定者として、「策略としてのデザイン」、その基盤に誠実さを配置している。」
(‘MacPower 8月号’(P32-33) [Design Gambit]より引用)
【注】新大学になる予定の現・札幌市立高等専門学校は、札幌市南区の森の中にある。)
同時に、川崎氏は新しい大学の理念を「森の中から」と題する文章にまとめ、発表している。
「・・・
この森に集うものに、
知と美と心を語り継ぐ者には、その資格が必要である。
その資格がある者も、常に、自分自身の生涯を賭して、その責務への品格と勇気を持ち続けなければならない。
・・・」
(同じく‘MacPower 8月号’(P32-33) [Design Gambit]より引用)
気品と決意を感じるいい文章だと思う。ぜひ全文を読むことをお勧めする。
私はべつに川崎和男の信奉者ではないし、氏の様々な主張に全面的に賛同しているわけでもない。しかし、デザイン(や看護)への視線や、それを学ぶものへ向ける氏の‘まなざし’と‘誠実さ’が伝わってくるこの文章には、共感する部分が多い。
…大学教育という仕事に足を踏み入れてから、今年で10年目。いろいろと考えることも多い。
| 固定リンク
「デザイン全般」カテゴリの記事
- SAKAI PODCASTS 2.0 坂井直樹 x 輿石健(2009.02.10)
- 第17回 多摩美術大学上野毛デザイン展/コミュニケーションデザイン展2009(2009.02.10)
- Objectified(2009.02.03)
- 企業戦略としてのデザイン(2008.12.23)
- MUJI AWARD 03 展(2008.12.18)
この記事へのコメントは終了しました。


コメント