<いい子>じゃなきゃいけないの?
著者は、精神科医の香山リカ氏。本書には、親に対して<いい子>でいようと思うあまり、ガマンし、自分を押し殺すしてしまう子供たちが登場する。本書の中ではそれを<いい子病>と呼び、それでいいの?とやさしく呼びかけている。
本書のタイトルを見て「身に覚えがある/心当たりがある」という人は、ぜひ読んでみるといいです。肩の荷がおりる、かも?
それと(僕もそうだけど)著者(1960年生)と同世代の人にも、ぜひ一読をおすすめしたい。時代が変われば、若者の気質も変わる、自分が同年代だったころとは明らかに‘ちがう’のである。
先生の顔色を見ながら、課題をこなし作品を作る。自分で考える前に、「どうするんですか?」と先生の意見を聞きにくる…。そんな美大生をひんぱんに目にするようになったのは、ここ数年のことである。本書の内容と、この状況をあまり短絡的に結びつけてはいけないのかもしれないが、この本を読んで<いい子>たちの行動の理由を知ると、なんとなくこの状況の意味も(少しだが)わかる気がする。
香山氏は、病院にカウンセリングに訪れる子供たちと向かい合う医者であると同時に、帝塚山学院大学の教授として学生たちに接する立場にもある。就職活動に向かう大学生たちをとりあげた「就職がこわい」でも、大学生の揺れる心理が詳細に語られていて、考えさせられることが多かった。
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