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ポートフォリオの審査

3年の授業選択と、4年のスタジオ選択のポートフォリオを見る。定員をオーバーしたクラスについて選考をするため、1冊づつ時間をかけて吟味していく。2学年、各1クラス分で約50冊を二日間で審査する。

・・・各学年でグループ課題があるので、同じ作品が何人かのポートフォリオに載っている。それは、そういう授業をやっているのだし、グループで作品を作る課題なので、それでよい。

でもさぁ、なんで、説明の文章も、図も、作品の画面ショットも、使用シーンの写真も、説明や図の並び順も、写真や図の大きさまでも、なにもかも「ぜーんぶおんなじ」なわけ? その人の個性も性格もデザインの能力も感性もちがうのに、どうして「おなじ表現」なわけ?
グループのポートフォリオじゃなくて、「あなたの」でしょう? 制作中に、全員が全く同じこと考えてたわけじゃないでしょう? 自分がこだわったことがあるでしょう???

「みんなで作った」という成果と思いは尊重するけど、「デジタル・データをもらって、そっくりコピペしただけ」みたいな(作った人は意図してないかもしれないが、そう見える)ポートフォリオを見ていたら、気分が悪くなった。ここはいったい何の勉強をしてる学校なのか…。オリジナリティーとか、自己表現っていう考えは、どこにあるんだろうか?
(もちろん、ちゃんと考えて表現してる人もいる。それがふつう。あたり前です。)

見ているうちに、どれがオリジナルなのか、この‘美しい図’を描いた人はホントは誰なのか、よくわからなくなって混乱した。・・・とはいえ、実は「オリジナル」は、よーく見ればちゃんとわかるけどね。真剣に考え抜いてデザインした人や大変な思いをして作った人にしか「課題の本質」はわからないので、まとめ方に「差」が出るんだ。

他人が描いたデッサン(作品)や、自分で撮っていない写真(作品)を、自分のポートフォリオに載せる人はいないと思う。でも、デジタルデータだと、無頓着になるのはなぜだ? イラレでレイアウトしてプリントアウトすると、オリジナルの痕跡が消えるからか?・・・なんだか、とってもやばいと思った。
悪意でやってるんじゃなくて、やってる本人がそれに‘気がついてない’のが「めちゃめちゃヤバイ」。こんなんで大丈夫なのか、情報デザインは。(ひとりふたりじゃないからさ、気づいてないのは。)

・・・あしたもポートフォリオの続きを見る。

【注意】グループ制作がいけない、なんて言うつもりは全くないので、誤解しないで欲しい。そういう問題じゃない。デザイナーとしての意識の問題なのだ。

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コメント

ふと、思ったのですが、今はコンピュータも普及してきて、自宅作業が多くなったからでしょうか?私の頃はコンピュータルームでみんなで作業していたので、だれがどんなことをしていたのか見えたので、こういう表現は良いとか真似しないようにしようとか、思いましたけど。

投稿: 1093 | 2005.12.15 07:56

「ポートフォリオを作る際に一切パソコンを禁止します!」

なーんて言ったらどんなの出てくるか楽しみです。
すごく個性が出そう。

投稿: 桑畑 | 2005.12.17 14:24

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