「情報の積み木展」を見にいく
デザインコースの3年生ふたりといっしょに、午後から専修大学へ。
会場のコンピュータルームに着くと、発表と質問の声が飛び交っていてとても熱気がある。お互いに感想や意見をかなり熱心に交わしていルのを見て、はじめからちょっと感動する。
2つの部屋に、合わせて12点の作品が所狭しと並ぶ。それぞれの作品は、情報の構造を物理的な形状として表現した「モデル(模型)」と、立体に仕込まれたICタグで呼び出される「情報コンテンツ(PC画面)」とで構成されている。全員が説明員として立っていて、配布用の小冊子(リーフレット)も用意されている。
並んでいる立体(ICタグが埋め込まれている)が、かなりおもしろい。しかもICタグの機能によって、その立体の一部がコンテンツ画面を呼び出すための‘インデックス’の役割を果たしている。
写真は、「DAIZU−大豆の加工法」,制作者:MIMIGA09(7名のグループ)。大豆の加工品を時間、加工工程、栄養価の3要素でモデル化(写真左)し、豆のカタチをした模型をICタグのリーダーに読み取らせると、大豆の加工方法についてのデジタル・コンテンツが表示される(写真右)。2年生でこの作品、なかなかの腕前です(^^)
その他のグループの作品(部分)を2点紹介。
写真左:「輸入に頼らない『米』−私たちが普段気にしないことを明らかに−」,制作者:うぃにんぐ11
写真右:「彩食柑実 柑橘が彩る一年」,制作者:みかんじゅうす
今回の展示で、わかった(わかってしまった)ことがある。
「表現」は、もはや美大やデザイン学科の‘専有物’でも‘特殊技能’でもなく、適正で緻密な教育プログラムを計画し実施すれば、工学分野の学生が学んだり身に付けたりできるということ。(上平先生には、その‘秘密兵器’を見せていただいた。すごかったですアレは。)このことは、はこだて未来大学の取り組みでうすうす感じていたけれど、それが確信に変わったかんじ。
そして、じゃあ、「(美大の)デザイン学科」の‘得意技’は何なのだ?‘存在価値’はなんだ?という「問い」が、僕らに突きつけられているということ。・・・それに対する僕なりの答えは、見つかっているけど、(ひみつなので)ここには書かない。(^^)
刺激的で楽しい展示でした。作品を熱心に説明してくださった学生のみなさん、ありがとう。上平先生、ありがとうございました。
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コメント
上平先生、トラックバックありがとうございます。
ブログの記事、興味深く読みました。美大の教育のやり方について、こういうふうに客観的に書いていただくと、自分たちの姿が鏡に映っているように見えてきます。不思議です。
子供の頃にはみんなやっていたはずの「表現する・つくる」という、創造的でめちゃくちゃ楽しい体験は、いままでは美大とかデザインの学科とか‘限られた’人たちのものでした。特に「大学教育」の中では、本を読んで知る「知識」の方が優位でしたからね。
でも、あの部屋にいた学生さんたちは、「表現」のおもしろさや価値に‘気付いて’しまった。もう後戻りはできませんよ(笑)。
こんどはいっしょに何かやりましょう。(^^)
投稿: よしはし | 2006.01.17 23:21