質的研究
「コンセプト・デザインの方法論」(紺野先生)の参考図書。
理論をひとつづつ積み上げていくような‘科学的な’研究の枠組みは、「デザインの研究」に必ずしも有効ではない場合がある。デザインの中で行なわれる思考や発想は、合理的に説明できない部分を多く含んでいるから、それらを‘理詰めで’記述し尽くすというのは、(無理やり記述できたとしても)かなり苦しい。
僕が学会向けのいわゆる「論文」を書くのが好きじゃない(そして得意じゃない)のは、理論で記述し切れずに、ぽろぽろとこぼれ落ちて行く‘デザインのいちばん大事な要素’を目の当たりにしてつらいから。(…というのを口実に、サボっているだけとも言われても反論しないけど。(^^;)
こういう理論を下敷きにすると、‘デザイン’のような分野の研究は、ずいぶんと記述しやすくなるのではないだろうか。思わぬところで、いい本に出会ったね。・・・正確に言うと、以前いちど手に取っていたのだが、そのときは本気で読まなかったし、価値もよくわからなかったのだった。
「経営学」の文脈で、こうしてこの本に再会したのは、なかなか不思議な「ご縁」である。
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コメント
全部読んだんですか?配布資料を読んだのですが、表面的には、なんとなくわかった気になっているのですが、単にサンプリングの方式を説明してるだけ?って理解になっていませんよね。本購入すべきですかね?
投稿: meirou | 2006.04.20 19:01
ぜんぶ読んだのか、って(^^; そんなことできるわけないでしょう(笑)。配布されたコピーを読んで、あとは目次を見て拾い読みです。これから腰を据えて読むつもりですけど。
僕は、ふだんやってることが、ある意味「質的研究」の領域に入るので、経済学や経営学の本よりもこういう方が数段わかりやすいんですよ。もちろん、この本のような論理的なやりかたでは学んでませんけどね。(^^;
投稿: よしはし | 2006.04.20 23:29