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武蔵美の卒展を見る

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作品:「送り皺」(Ex-formation 皺)
塚田恵美・廣瀬豊・松本ゆき菜(造形学部基礎デザイン学科)

白い封筒や小包を配送させてできる「皺」を集めた作品。きょう見たなかで、これがいちばんおもしろかった。

郵便物が世界各地を移動するうちに、その表面に無数の「皺(しわ)」ができる。それらは移動のための負の痕跡であり、反面、確実に移動したという証拠でもある。「皺」というテーマに対し、着眼点とアイデアが秀逸。それを実際のデザインや行動にうつす実行力もすばらしい。

実は、これらの「皺」は単なる偶然の産物ではなく、周到に計画されデザインされた結果でもある。協力者を探すのにmixiが活用されたらしい。それもまた今の時代を映していて興味深い。

明けて今日、29日(月)まで。
Information Design?!: 武蔵美 デザイン情報学科 卒業研究・卒業制作展

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写真左は「経由便」。皺が刻み込まれやすいように中味にはやわらかいウレタン素材を入れ、外側にはハリのある白クラフト紙を選んでいる。左手前に見えるのが‘送られる前’の状態の「小包」。
写真右は、送られて皺が刻まれた後の小包。「経由便」は世界数カ国を経由して届く。封筒を使った同様の「ダイレクト便」もある。

海外での配送を協力者が正しく行なえるように、手順を整理しわかりやすく表現した「マニュアル」が用意されていた。航空機の背ポケットにある「緊急マニュアル」のような形式でデザインされ、一目で手順と注意事項がわかる。オモテには出ないが、この「デザイン(情報デザイン)」が、封筒や小包の配送プロセスを支えている。周到に計画しデザインした上で、「皺という偶然性」を見事に扱いコントロールしている点がとても「美しい」。

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コメント

後半に説明を追記しました。(書きかけだった分)

投稿: よしはし | 2007.02.02 21:05

この記事へのコメントは終了しました。

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