学生が実現した展示会―ボクらのコウサ展ものがたり
学生が実現した展示会―ボクらのコウサ展ものがたり
コウサ本制作委員会・編著
専修大学ネットワーク情報学部の学生有志が自主的に企画・開催している成果発表展覧会「コウサ展」、その実現までのプロセスをまとめた本。
現4年生の目線から今年で第3回を迎えた同展を初回から振り返り、先輩や後輩などへも取材しながら、その物語を綴っている。
街の書店やAmazon以外のネット書店でも購入できます。詳しくは下記オフィシャルページにて。
コウサ本オフィシャルページ
(専修大学の山下先生(編集代表)より献本いただきました。ありがとうございました。)
本を読み終えて。
美大でも学外展を開催する。デザインを学ぶ学生たちは、この本で描かれた学生とある部分では同じように悩み考え苦労しながら展覧会の実現にこぎつける。それはプロになるための学びの一部でもあり、クリエイティブに関わる人間に半ば義務づけられたものでもある。
黙々と準備をし、自らの作品を世の中に問い、様々な評価を受け、展覧会が終われば、また黙々と日々の制作や学びに戻って行く。ただそれが‘あたりまえ’にできるのは、美大にそのような見えない文化や有形無形のリソースや環境があるからだとも言える。気付かないうちにそれらに背中を押されたり助けられている面もある。もちろん‘できてあたりまえ’が強力なプレッシャーにもなるのだが。
僕自身は‘あたりまえ’の環境に長く身を置き、‘あたりまえに’展覧会をこなす学生たちと日々接している。デザインの学科にとって展覧会は決してめずらしいイベントではない。それでも、この本に描かれた学生たちの熱意や姿勢には、考えさせられることや教えられることが多い。
「あたりまえではない」環境で展覧会を行なうことの‘現実(リアル)’がこの本には描かれている。展覧会の実現という問題と向き合うなかで、自分の学びとは何かを問い続ける学生たちの姿が見えてくる。それは、僕らがあたりまえすぎて気付かないことや、ともすると忘れてしまうことでもある。
大学に来た意味とか学ぶことの価値を忘れてしまったり、見い出せなくなっているひとにもぜひ読んで欲しい。
最後に・・・僕はこの本を読んで、専修大学ネットワーク情報学部のファンになりました。(^^)
| 固定リンク
「情報デザイン」カテゴリの記事
- Don Norman - UX Week 2008 videos(2009.02.12)
- 2008 吉橋ゼミの卒制紹介(3)(2009.02.09)
- 2008 吉橋ゼミの卒制紹介(2)(2009.02.09)
- デザインド・リアリティ(2009.02.02)
- Webプロジェクトマネジメント標準(2009.01.30)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
専修大学の山下です。本をご紹介いただきありがとうございます。執筆した学生たちの苦労が報われます。
リンクしていただいたオフィシャルページですが、3年に一度の学部サーバの入れ替え作業に伴い、現在停止しております。ご迷惑をおかけします。
12日夜には再開する予定です。
投稿: やました | 2007.03.10 18:56