組織能力の経営論
HBRに掲載された「組織学習」に関する論考を集めたもの。原題は"Harvard Business Review on Organizational Learning"(こっちの方が‘組織能力’よりわかりやすい?)
特に読みたかったのは3つ。
第1章 ナレッジ・クリエイティング・カンパニー、野中郁次郎(初出1992.3)
第6章 ディープ・スマート:暗黙知の継承、ドロシー・レオナルド,ウォルター・スワップ(初出2005.2)
第7章 「場」のイノベーション・パワー、エティエンヌ・C・ウェンガー,ウィリアム・M・スナイダー(初出2001.8)
第1章、「新しい知識は常に個人から生成される。」「個人の知識を第三者でも利用できるようにすることが、知識創造企業の中心的活動である。」(第1章より引用)
野中先生の主張は簡潔にして明快。知識創造理論について感じていた胸のつかえが取れた気分。(^^)
第7章、原題は "Communities of Practice: The Organizatioal Frontier"。本文中でcommunities of practice を「場」と訳している(編集部の注あり)。
初めにウェンガーを学んだのは認知科学の文脈だったで、この訳は少々違和感を感じる(ホントに全く同じ概念?)。その一方で、経営の文脈では「場」の概念での説明はかなりわかりやすい。置き換えて考えれば、なるほどそーだったのかという感じもあり。(^^;むずかしいところ。
アージリスのダブルループ学習の理論も興味深い。なんと、ドナルド・A・ショーンと共同研究をしている。うーん、深い。
第3章 「ダブル・ループ学習」とは何か、クリス・アージリス
第4章 防衛的思考を転換させる学習プロセス,クリス・アージリス
第5章 学習する組織へのブレークスルー,クリス・アージリス
「組織学習」という領域、奥が深くてなかなかおもしろい。ショーンやウェンガーとのつながりを見るにつけ、広い意味で「デザイン/情報デザイン」との重なりや関連も多い。
関連リンク:
ダイヤモンド社|「本」の検索と購入
コミュニティ・オブ・プラクティス - @IT情報マネジメント用語事典
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