WITHOUT THOUGHTを見る
"WITHOUT THOUGHT"は「ワークショップ」である。(ウェブにも冊子にもそう書いてある)
「ワークショップ」であるなら、その価値の少なくとも半分以上はその「プロセス」や「経験」にあるはずだ。
会場には、結果(成果)として作られたモデルが整然と並んでいるが、ワークショップの内容や過程は全く触れられていない。
並んだ作品を穴の開くほど見ても、なんだか毎回‘もの足りなさ’を感じるのは、そのためだということが、今回やっとわかった。スッキリ(^^)
(もっとも、「作品」に‘プロセス’が現れているという見方もできるし、それ(プロセス)は言わないという‘お約束’も理解できるのだった。(^^;)
Information Design?!: WITHOUT THOUGHT Vol.8
Information Design?!: 「WITHOUT THOUGHT 7」を見る
Information Design?!: WITHOUT THOUGHT 6
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コメント
はじめまして。
今回のwithout thoughtに参加している清水と申します。
吉橋さんの仰るように、ワークショップの成果発表とはいえ...泥臭い部分が見えてこない展示ですよね。
そこが気になるのも、ひとえに全体のクオリティに問題があったのかなぁと、冷静に見れば思えてきました。
プロセスは確かにお見せできるようなものではありませんが(笑
今回のテーマはメンバー一同かなり苦しみました。
’拭く’は動詞であり、行為であるのに、
アウトプットが’拭くもの’に片寄ってしまう。
どうやって’拭くもの’から抜け出すかを、
ギリギリまで試行錯誤しました。
今回の’成果’に対しては色々ご意見あるかと思います。
そのあたり、率直に伺えると励みになります。
投稿: K.Shimizu | 2007.08.27 22:53
清水さん、コメントありがとうございます。
実は、「成果」(並んでいた「作品」)を見ただけでは、何とも言えないというのが、私の率直な感想です。
私は、without thoughtというのは、モノの見方なり、発想のしかたなりの「ある種のメソッド」をメインにした「ワークショップ」であろうと理解(想像)しているので、(それが間違いでなければ)できあがった「作品」は、その「ほんの一部分」でしかありません。
今回だけでなく毎回のアウトプットに関して、(観客として)いろいろコメントすることはできますが、ワークショップの中身がブラックボックスの中なので、作品だけ見て良いとか悪いとか言うのは(私にとっては)あまり興味がありません。
自分が参加したら「よくわかる」んでしょうね、きっと。(^^;
投稿: よしはし | 2007.08.28 00:24
そうですね。
あくまでも理想は、
’作品を見て、説明しなくても人に共感していただけるようにすること’にあるんです。
深澤さんの言うことを一言で表現すれば、
’意識の中心を探す’
ということ。
人が共感できる、共通の’点’を見つけることだといいます。
上記のような考え方は確かにワークショップで学びますが、ノウハウを学ぶわけではありません。
あくまでも最後のアウトプットが全てに見えないと、成功とは言えないはずなんですよね...
そういった意味で、難しかったです。
確かに、参加したら「よくわかる」部分もあります。(^^;
投稿: K.Shimizu | 2007.08.28 01:00
イソムラです。
横から失礼いたします。
私も少し感想を。
「成果」は出来上がった「作品」にあるのではなく、「参加したデザイナーがワークショップを通じて得られた視点、考え方をデザイン業務に生かすこと」のように思います。
作品は、そのためのひとつの過程であって、展示会もそれに相当するものかもしれません。
ただ、少し欲深いのは、作品に対して反応が良ければ、一つの成果としてしまうことです。ただ、逆に、反応が悪ければ、あだになってしまうという危険も伴います。
これは、先に述べた「デザイン業務に生かすこと」という成果が、伝えにくいというのが背景にあります。
ここにワークショップという活動の難しさがあると思います。
私が感心するのは、こうした成果を定義しにくい活動を継続していることです。真っ先にコストカットの対象になっていい。2泊3日のデザイナーの人工とモデル代、深澤さんのディレクション費用 なかなかの投資です。
逆にこうした定義しにくい活動の方が、可能性を秘めているとも感じています。振り返ったときに、大きな潮流に繋がった といえるものになれば。
スミマセン
取り留めなくなりました。失礼いたしました。
投稿: イソムラ | 2007.09.02 18:17
イソムラさん
WITHOUT THOUGHTの「展覧会」というのは、「目に見えない」ワークショップの価値や意味を「見えるようにする」ための、ひとつの手段・装置なのかもしれませんね。
社会に向けて、あるいは参加したデザイナーの所属する社内に向けても、そういう情報発信は必要だと思いますし。
ワークショップそのものの価値のメインは、やはりその「実施のプロセス」や、参加者の内面の思考や、参加したあとに残るもの、参加者の変化にあるのだと思います。
投稿: よしはし | 2007.09.05 10:07
こんばんは。
イソムラさん
まさに仰るとおり、
会社では、’目に見える成果’が全ての判断基準ですから、こうした活動を継続していること自体、すばらしいことだと思います。
自分にとって有意義な経験だったからこそ、来年も参加できるよう経営幹部にお願いしました。
業種によっては必ずしもアウトプットに直結しにくいワークショップであるため、継続できるかどうかは正直微妙なところです。
非常に面白いと思ったのは、参加者が必ずしもプロダクトデザイナーだけではないということです。
グラフィックデザインや企画職の方も参加しており、職種を超えてこうした活動が少しずつ広がっていけば、デザイン業界という狭い世界から世界が広がってゆくのではと思います。
投稿: K.Shimizu | 2007.09.06 21:10
Shimizuさん
イソムラです。
>非常に面白いと思ったのは、参加者が必ずしもプロダクトデザイナーだけではない
なるほど
この活動の意義に沿ったとてもいい展開ですね。
運営されている方の苦労と思いを感じます。
投稿: イソムラ | 2007.09.06 23:24