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テクノロジーに「酔う」

はじめてPhotoshopを使ったひとが、うれしくってフィルター機能を使いまくる。Illustratorの初心者が、やたらとフォントを使い罫線に凝りまくる。(^^; 高画質のインクジェットプリンターも、高性能のデジタル一眼も、初心者であるほど、手にしてしばらくのあいだは作品のあまりのできばえの良さに酔いしれます。‘自分が特別な能力を手に入れた’ような気がして舞い上がります。

やがて一時の‘陶酔’から冷めると、そのできばえは実は「テクノロジーがすごい」のであって、自分のデザインのスキルや撮影のセンスとは別ものだと気づき、我に返るわけです(自分にも覚えがあります(^^;)。そこに至ってから、そのテクノロジーとの本当の付き合いがやっと始まります。

いまや、デザインを学ぶ美大の学生でも、ちょっと勉強すればプログラムやデバイスを比較的かんたんに扱えるようになりました。サンプルプログラムに少し手を加えるだけで、おもしろい機能が目の前で実現し、ネットワークから得たデータで画面が動き、センサーに繋いだデバイスが動いたり光ったり音を出したりします。(そういうものを使って表現したい、何か作りたいと思う学生の気持ちは理解できます。若い人がいちばん‘時代の先端’を感じているのですから。)

(理系でない人にとっては)‘難解な’プログラム言語を勉強するしばしの苦労や、コードを書きバグを取っていく根気のいる作業の苦労もあいまって、自分が書いたプログラムや組み立てたデバイスが動作して目の前で起こる「できごと」は、とても魅力的に見えることでしょう。‘自分が特別な能力を手に入れた’と思わせるのには充分です。

デザイン教育に‘画材としてのコンピュータ’が入ってきたころのように、ちょうどいま様々な‘テクノロジー仕立ての表現手段’がデザインの教室に入ってきています。目新しくまばゆいばかりの‘表現’に、みな「酔いしれて」います。
教員も学生も、「テクノロジーに酔う(陶酔する)」状態を抜けたときに初めて、それらのデザイン教育の中でのほんとうの(適切な)‘ポジション’や‘扱い方’が見えてくるのでしょう。

気持ちの良い「酔い」はまだしばらく続きそうです。・・・悪酔いしないように気をつけて。二日酔いも、ね。

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