« 4年後のわたし | トップページ | コミュニケーション力を引き出す »

解題:「変化のデザイン」

以下は、前期に行なった演習授業「変化のデザイン」の‘解題’です。オープンキャンパスでの展示が終わったあとの最終回の授業で、「この授業はなんだったのか?」「何を学んで欲しかったのか?」を説明したときのものです。

これまで多摩美で取り組んできた‘情報デザイン’の授業は、既存のデザイン領域が扱っていなかった新しいテーマを含んでいる場合が多く(そのために難解でもあり)、演習で作品を制作する経験をしただけでは学生たちにその‘本質’が伝わりにくいという(教える側の)悩みがありました。(いまでもその悩みがすべて解決したわけではありませんが。)

今回は、Y先生のアドバイスもあって、授業の最後に‘解題’と称して授業の解説を試みました。授業の開始時に配ったガイダンス資料よりも一歩踏み込んで、学んだことやその意味を解説しています。

以下、2009年度 前期 2年次演習 「変化のデザイン」 解題 より抜粋。

●「情報デザイン」におけるこの授業の位置付け:
 これまでのデザイン分野は多くの場合、見えるもの、さわれるものを対象としてきた。プロダクトもグラフィックも環境も、見えているもの(物理的なモノ)を加工したり操作したりしてデザインを行なってきた。
 情報デザインがデザインの対象とするのは「情報」で、ほとんどの場合、対象は「目に見えない」。見えないものをデザインすることはできないので、情報が見えるようになるための練習が必要。この課題はその「情報が見えるようになる」ための課題。

課題1 「動きの観察と表現」:
 「動き」が見えるようになるための練習課題

 見る練習としての「観察」−よく見ることで見えてくる。1)アクティングアウトでは、「動きという情報」を扱うために身体をメディア(表現媒体)として使った。2)モデル化は、観察した「動き」の中から余計なものを取り除き、動きの本質を見出すためのプロセス。3)Flashによる動きの表現では、動きのエッセンスだけを抜き出し余計なものをそぎ落とした「動き」を、視覚的に表すことで動きの本質を表した。

課題2 「変化の観察と表現-料理の中の変化する情報」:
 より複雑な「変化」を、見て描くための練習課題

 静的な(止まっている)情報は把握しやすいが、動的な(変わってしまう)情報は、扱うことが難しい。変化するものを止まった状態(ストップモーション)で扱うのではなく、次々と姿を変えていくそのままの状態で扱うことで、変化の本質が見えてくる。絵コンテやスケッチなどを描きながら、変化のパターンやモデルを見つけて、動的な表現につなげていく。

資料全文(利用の条件は資料の文末をごらんください): 「kaidai.pdf」をダウンロード(922KB)

この「解題」は、課題制作を実際におこなった学生に向けて書かれています。そして、解題は授業の‘最後に’おこなうのがポイントです。この授業に限らず、「デザインの学び」では、手を動かして‘つくること’‘表現すること’で初めて手に入ることがたくさんあります。この資料を読んだたけで‘わかった’気になるのは、ちょっとキケンです。。。

授業の概要:
2年生「変化のデザイン」課題作品(1): Knowledge Design Lab. −知識デザイン研究所
2年生「変化のデザイン」課題作品(2): Knowledge Design Lab. −知識デザイン研究所

|

« 4年後のわたし | トップページ | コミュニケーション力を引き出す »

大学・教育」カテゴリの記事

情報デザイン」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/18028/45982963

この記事へのトラックバック一覧です: 解題:「変化のデザイン」:

« 4年後のわたし | トップページ | コミュニケーション力を引き出す »