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感情科学

感情科学 Affective Science
藤田和生・編, 京都大学学術出版会


長らく手つかずだった本をやっと開く(だってぶ厚いんだもの(^^;)。読みやすそうな第IV部の対談「感情科学の未来」から読み、その勢いで1章から読み始めたものの、、、1週間かかってやっと読了。
12章にわたって様々な分野の視点から「感情」に関する多様な議論が展開されている。感情研究はまだわからないことが多い分野らしく、それに果敢に挑戦しているそれぞれの研究はどれも非常におもしろい。

「感情は、理性あるいは認知と対立するものではなく、むしろ、それらと協調的に結びつき、人の種々の適応を支えるものと考えられるようになってきており、"mind"(心)の科学は "heart"(感情)への注目なくしては成り立たないというスタンスが徐々にとられはじめているのである。」という視点(本書p5, 第1章感情の基礎 より引用)。そして、複数の章(研究分野)で、「感情の‘機能’」という考え方が提示されていて、とても興味深く読んだ。

難解な章も多く、とてもすべてを理解できたとは言えないが、D.A.ノーマンの「未来のモノのデザイン」や「エモーショナル・デザイン」の背景、もしくは延長線上にあると思われる‘感情についての研究’をおおまかに把握することができた。また、以前、ロボット(PaPeRo)のインタフェース研究のテーマとして感情表現を扱ったことがあるが、それは奥深い感情研究の領域のごくごく一部分をかすめた程度だったということもよくわかった。(その当時、このような知見があれば、もっと精密なアプローチができたと思うが。)

京都大学学術出版会:感情科学

第I部 感情の基礎
第1章感情の機能を探る[遠藤利彦]
第2章表情認知と感情[吉川左紀子]
第3章感情と言語[楠見 孝・米田英嗣]
第4章感情の神経科学[船橋新太郎]

第II部 感情の発生
第5章乳幼児における感情の発達
第6章感情の成長—情動調整と表示規則の発達
第7章文化と感情—現代日本に注目して
第8章感情の進化

第III部 感情と生活
第9章感情と集団行動—社会的適応性の観点から
第10章感情と描画
第11章夢における感情と自我
第12章感情と心理臨床—今日の社会状況をめぐって

第IV部 討論会・感情科学の未来

[ANNEX] 教育と研究の記録: 4.産学共同研究

Information Design?!: 感情とデザイン(「認知科学」書評より)
Information Design?!: 感情研究−認知と感情

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