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2009.12.09

リフレクティブ・マネジャー

リフレクティブ・マネジャー 一流はつねに内省する
中原淳, 金井壽宏・著
 
タイトル通り読めば、マネージャーのための経営書である。同時に「大人の学びと成長」について書かれた本でもある。教育学を専門とする中原氏と、経営学を専門とする金井氏の共著という点も、たいへん興味深い。

本書の‘はじめに’で、金井壽宏(としひろ)氏(神戸大学大学院経営学研究科 教授)は次のように述べている。少し長いが引用する。

「冒頭の問いかけに戻ろう。アクションとリフレクション(内省)のどちらが大事か聞かれたら、しかも、両方という答えはだめで、どちらか選べといわれたら、私はアクションを選ぶ。それが生きていることの根本であるとも思う。
しかし、人はただ生きているのではなく、意味のある生き方、働き方を臨んでいるのなら、アクションだけでは足りない。リフレクションの出る幕がある。とくに今までのやり方に疑問が出てきたり、今まで通用したことが通用しなくなったりしたときには、いったん歩みを止めて、(あるいは、ちょっと危ないが歩みながら)考えることが大事だ。しかも一人くよくよ考えごとをするのではなく、だれか対話の相手をもちながら、議論の中で考えることが大事だ。」(本書 P12より)

少し大げさだが、‘はじめに’を読むだけでも、本書を手に取る価値があると思う。(はじめに を読んでいて、泣きそうだった。(^^; )

本書を読みながら、デザイン教育の中に継続して「リフレクション」を取り入れてきた実践の‘価値と意味’を、改めて確認することができた。読んで良かったなぁと思う。上田信行先生から‘教え’を受けてから、すでに15年以上になる。

最近は、デザイン教育でも「リフレクション」の概念がだいぶ知られるようになった。あちこちで使われているのを目にするが、中には、どこで覚えたのかうわべだけの理解や、自分勝手な解釈で誤って使っている例も目にする。

せっかく使う(実践する)のであれば、正しく学んで、理解したうえで「リフレクション」を取り入れて欲しいと強く願う。「リフレクション」は‘流行りもの’ではないし、何でもうまくいく‘魔法の呪文’でもない。本書は、リフレクションについて正しく知るためのよい入門書にもなると思う。

リフレクティブ・マネジャー 中原淳、金井壽宏 | 光文社新書 | 光文社

参考:
Information Design?!: 省察的実践とは何か
Information Design?!: リフレクションの理論と実践−「看護における反省的実践」

Information Design?!: リフレクション(1)
Information Design?!: リフレクション(2)

Information Design?!: リフレクションの道具としてのブログ

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