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2012年5月

それをお金で買いますか


「それをお金で買いますか―市場主義の限界」マイケル・サンデル 著, 鬼澤忍 訳
(右:原書“What Money Can't Buy: The Moral Limits of Markets”)

市場経済について、考えさせられる事例や問題提起が続出する。サンデル教授は、市場主義の及ぼす様々な影響を、強制と不公正,腐敗と堕落という視点から何度も繰り返し問う。重い問題から日常の問題まで、扱う対象も多岐に渡っている。

ひとりの人間として市場主義にどう向き合うかという視点はもちろんあるが、あえて、専門分野であるデザインやクリエイティブから本書を見てみる。関連しそうな議論が、第2章 インセンティブ、第5章 命名権 で展開されている。
何かの成果にインセンティブとしてお金を払うことや、様々なものに命名して対価(広告費)としてお金を払うことは、腐敗と堕落を招く場合があるとサンデル教授は指摘する。

特に命名権など「広告」に関するものは、いまやすっかり生活の一部になっていて違和感のない事例もあり、気づかないうちにデザイナーがその一端を担うことになりかねない。市場主義に対する様々な問いに対しこれが正しいという答えはないが、クリエイター、デザイナーとしてどうあるべきかを考える必要はあるだろう、と思う。

それをお金で買いますか:ハヤカワ・オンライン

Michael Sandel | Harvard University - Department of Government

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小さく賭けろ!(Little Bets)


「小さく賭けろ!―世界を変えた人と組織の成功の秘密」,ピーター・シムズ 著, 滑川海彦・高橋信夫 訳
(右:原書“Little Bets: How Breakthrough Ideas Emerge from Small Discoveries”)

小さなチャレンジ(賭け)、そして、失敗から素早く学び物事を前にすすめていくー著者は、その方法が優れているということを、様々なイノベーション企業の事例で明らかにしていく。

何度も登場するピクサー社での様々なエピソードがたいへん興味深かった。失敗を許容する文化が無かったら、デジタル・アニメーション分野でのピクサーの今日の成功は無かったということがわかる。

ピクサーにおいて、インプロ(即興演劇)の考え方やエクササイズが取り入れられている様子が紹介されているが、失敗を次へのステップとして肯定的にとらえ「創造性」を支えるための基礎となる要素として注目したい。

関連:
Peter Sims — Think differently
イノベーションに必要なマインドセット - ビジネス書の杜

インプロする組織: Knowledge Design Lab. −知識デザイン研究所

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多摩美ホームカミングデー2012

多摩美術大学 校友会主催の「ホームカミングデー」が開催されます。

ホームカミングデー2012
6月3日(日)13:00〜17:30
多摩美術大学 八王子キャンパス

第1部:スペシャル・トーク・イベント, 13:00〜14:20
「コレジャナイ・ゆるゆる・存在論」
ゲストスピーカー:しりあがり寿(漫画家・'81GD)、ザリガニワークス 武笠太郎('97GD)・坂本嘉種('95GD)
モデレーター:上田雄三(芸術学科非常勤講師・'76GD)

第2部:第18回定期総会, 14:30〜15:00

第3部:イイオ de 同窓会, 15:30〜17:30 (会費1,000円)

下記の「当たり年」の方には「校友会オリジナルスケッチブック」をプレゼント。(数に限りがあります)
当たり年(卒業・修了年):2012年、2002年、1992年、1982年、1972年、1962年、1952年

ホームカミングデー2012開催 - 多摩美校友会 ニュース

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広告学会 クリエイティブフォーラムに参加しました。

Koukokugakkai03

先週の土曜日、京都の立命館大学 衣笠キャンパス(写真上)で開催された「日本広告学会 クリエイティブフォーラム2012」に参加しました(写真下)。

Koukokugakkai02

午前中は、事例紹介とパネルディスカッションでした。「絆」(関係性, relation)についての議論は、とても興味深いものでした。マーケティングや広告についての深いディスカッションが繰り広げられ、とても刺激的でした。わからない用語や概念もありましたが、学会に来なかったら聞くことはなかった話かもしれません。

Koukokugakkai01

午後のポスターセッションで、多摩美の「サービスデザイン」について、授業の方法や成果を中心に発表しました(写真上はポスター展示)。初めての参加で広告の専門家でもない私が発表して、果たして理解していただけるのか心配でしたが、幸い多くの方に興味を持っていただけたようです。様々なご意見は次のフェーズに活かしたいと思います。

続きを読む "広告学会 クリエイティブフォーラムに参加しました。"

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スティーブ・ジョブズ:ラスト・メッセージ (DVD)

スティーブ・ジョブズ追悼ドキュメンタリー番組の日本語版DVDが発売になりました。他に説明は要りませんね。(TSUTAYAでレンタルの取り扱いもあるようです)

TCエンタテインメント株式会社 | [カルチャー&ドキュメント] [スティーブ・ジョブズ:ラスト・メッセージ ~天才が遺したもの~]

関連:Steve Jobs - One Last Thing : PBS


トブ iPhone 経由。)

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ワークショップと学び1 まなびを学ぶ

「ワークショップと学び」は、「ワークショップをまなびほぐし/アンラーンの視点から捉え直す初めてのシリーズ」です。(出版社ウェブサイトより)

シリーズ1冊目の本書は、学習論の観点からワークショップをとらえる論考から始まります。
第I部 学び学のキーコンセプトでは、佐伯胖先生や苅宿先生、高木先生が、学習という観点からワークショップの意味や価値、位置付けについて語ります。「そもそもワークショップとは何であるのか?」を、理解することができます。

「ワークショップ」を企画したり提供する立場にあるひとは、学習論かから見たワークショップについて知ることで、実践にさらに深みが増すのではないでしょうか。(学問的に論述することに興味があるか、またそれが必要な立場かどうかはさておき。)

全体に学術的な論考であるため、著者が前提としている概念や専門的な知識を読者が共有していないと、著者の主張がよく理解できない章もあります。(^^;
この分野を(学問的に)極めたいというひと以外は、興味のあるところを熟読、他はざっくりと読むことをおすすめします。

ちなみに、私が興味深く読んだのは、以下の各章です。
イントロダクション ワークショップの現在(苅宿俊文)
第1章 「まなびほぐし(アンランーン)」のすすめ(佐伯 胖)
第2章 まなびほぐしの現場としてのワークショップ(苅宿俊文)
第6章 教えなければならないことは、何もない(平田オリザ)
第7章 昭和22年のワークショップ(苅宿俊文)

今後刊行されるシリーズ第2巻、第3巻にも期待。(^^)

書籍一覧・検索|ワークショップと学び1 まなびを学ぶ - 東京大学出版会

ワークショップと学び[全3巻]:シリーズ・講座:東京大学出版会

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Designing Better Service Experiences

Designing Better Service Experiences from Continuum on Vimeo.

Continuum and the AIGA convened a group of top business leaders and innovators from a variety of backgrounds and industries, including Disney, Facebook and Zipcar, to discuss how designing a service experience with purpose can transform a company’s image and make people’s lives better.


様々なバックグラウンドのプロフェッショナルたちが語る「サービスデザイン」。

「よりよいサービス・エクスペリエンス(経験)をデザインする」...これは、情報デザインが、そして、経験デザイン領域が、ずっとテーマにして扱ってきたこと、得意とすることですね。(^^)


デザインコンサルタント会社:Continuum
Innovation Consulting | Design Innovation | Continuum

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